身体的負担軽減には介助技術の向上

介護職員の仕事は、高齢者や障がい者といった介護サービス利用者の介助がメインである。身体の不自由な要介護者は、自力で歩行や食事ができないので、介護職員の介助が欠かせない。
要介護者の身体を支えるには力が要るが、どんなに筋力があっても力任せだけでは毎日の介助業務に耐えられないだろう。体重が軽い高齢者でも、自力で身体を動かせない場合は、介助者の身体にかなりの負担がかかる。
内筋や体幹を上手く使った効率的な力の配分といった介助のスキルを身につけることが重要なのだ。

こうしたスキルを習得するため、介護資格の取得が求められる。介助技術を身につける資格として、介護福祉士が知られているだろう。介護の資格の中で唯一の国家資格であるため知名度が高い。
ただし、介護福祉士の資格を取るためには、養成施設もしくは福祉校高校を卒業するか、介護の民間資格を取得したうえで身体介護の実務経験を一定期間積まないと、介護福祉士国家試験を受験できない。
身体介護に関わるためには特定の資格が必要だ。身体介護に携われる民間資格としては、介護職員初任者研修や介護福祉士実務者研修がある。こうした民間資格は短期間の研修を受ければ誰でも取れるため、可能なら介護の仕事に就く前に取得しておくことが望ましい。
もっとも、介護資格がなくても、利用者の衣類の洗濯や施設の清掃といった生活援助の仕事に関われることから、無資格者が介護施設で働きながら介護資格を取るケースが少なくないのだ。